七夕にそうめんを食べることは、古くからの歴史ある習慣だとご存知でしょうか? そのルーツは、なんと平安時代にまでさかのぼります。平安時代の宮中で儀式のお作法を書き記した本に「七夕にはそうめんをお供えする」ということが書かれているのです。ではなぜ、七夕にそうめんなのでしょうか?
そうめんを食べて、芸事の上達を願う
日本では「見立て」といって、ある物を他のものになぞらえて表現することがよくあります。
日本庭園によくある、砂や岩を使って川の流れや時の流れをあらわす「枯山水」も見立てのひとつです。
七夕で食べるそうめんも、実は織姫が織る機の「糸」に、また天の川に見立てられています。
昔の人は、五色に輝く美しい布を織る機織りの名人・織姫に少しでも近づけるようにと、そうめんを食べて手芸や裁縫、芸事の上達を願いました。
現代では機織りをする方は少ないでしょうが、裁縫のほか習字や習いごとが上達しますようにという願いを込めて、七夕の日にはそうめんを食べてはいかがでしょうか。
健康を願う
また、中国ではそうめんの元となった「索餅(さくべい)」を食べると災いや病を追い払うという言い伝えがあります。
これは、7月7日に亡くなった子どもが鬼となり町に病気を流行らせた際に、子どもの好物だった索餅を供えるとたたりが静まったという伝説が元になっています。
小麦は邪を払うとも言われているので、夏場で体力の落ちるこの時期にそうめんを食べて一年の無病息災を願うという意味もあるようです。
そうめんは冷たくてのど越しが良く、夏バテをしていても食べやすいですよね。
薬味やトッピングを工夫することで、栄養もとれます。全国乾麺協同組合連合会では、7月7日は「七夕・そうめんの日」に設定されています。
フォトジェニックな七夕そうめん
七夕のそうめん、いつも通りではなく少し遊び心を出して飾ってみませんか?
オススメなのは、小口切りにしたオクラ。オクラは元々五角形の形をしているため、切っただけでお星さまのよう。
そうめんは、一口分ずつフォークで巻いておくと取りやすく食べやすいですよ。
また、クッキーの型を使って、ハムや卵、キュウリ等を星形に抜いたり、細長く切って天の川の流れを表現しても。
普通のそうめんに飽きたという方は、麺つゆをカレー味やトマト味にアレンジしてもおいしそうです。
いろいろ工夫して七夕の行事食・そうめんを楽しんでみてくださいね。