復活をとげた紙衣の七夕 伝わる奥ゆかしい七夕文化
特徴・見どころ
兵庫県朝来市生野町の銀谷地区では昔、七夕に紙衣を飾る風習がありました。すっかり途絶えていましたが、復活を願う地元の女性たちの呼びかけで、町づくりへの大きな波へと発展しました。しかし世代間によって、記憶する「紙衣」は様々。消えゆく文化の記憶を手繰り寄せ、伝統を生活の中で楽しむ試みが10年以上続いています。銀谷の七夕飾りは、短冊を吊るした2本の笹の間に「七夕さん」と呼ばれる男女一対の紙衣を芋がらに渡して、縁側に向けて飾り、夏野菜を供えます。七夕の翌日の朝、「七夕さん」だけを保管し、笹は川に流します。紙衣には「裁縫の上達を願う」意味があるそうです。銀山で栄えた古い街並みの家々に、大小の「七夕さん」が風に揺れて趣があります。
歴史
生野町は安土桃山時代から1973年閉山まで、銀山で栄えた町です。山間部にありながら、全国各地の生活文化を受け入れて、銀山町特有の文化を形成してきました。国重要文化的景観に認定されている、美しい景観が広がっています。
画像出典先:神戸新聞next、但馬情報特急